5度目の夏が来る。
今思い返してみると、出会いのチャンスってどこでどうなるかわからないもんだ。
私達は出会い系アプリで出会った。
私は、いろいろな事があった後、自暴自棄だった。だからまともな精神ではなかった。
セックスに溺れていた。
でも、それがしたいわけではない。
誰かに優しくして欲しいだけだった。
彼は今の会社に入社したばかりで、横浜で高速道路の仕事をこなした後、三重県に移動してきた。
その当時、彼はまだ結婚していて、単身赴任で家族の為に頑張っていた。
でも寂しかった。
だから、お互いアプリを利用してた。
彼からメッセージが来たのは、4月初旬
『単身赴任で来てて、何もわからないから教えて下さい。』
プロフィールを見る。
出会い系アプリで既婚者なのに、あんなにプロフ書いてある人初めて見た。
「私は、既婚者とは、会いませんよ。」
『大丈夫です。ここでのお話だけで構いません』
ずいぶん変わった人もいるもんだ…。
そう思った。
それからずっとアプリのメッセージでやり取り。
おはようございます。今日も暑くなりそうです。
仕事頑張りましょう。
今日は暑かったですねー。
今日は休みで、横浜に帰ってます。
こういうお店教えてください。
〇〇は、どこに売ってますか?
毎日、朝と夜にメッセージが来る。
このやり取り。
私は、何故かキチンと返していた。
いつしか彼からの返事を待ってる私がいる。
でも、それは私にとっては心のリハビリだった。
誰にも言えない問題を抱えて、仕事をしていたから、ストレスが溜まっていた。
顔の見えない相手に私はいろんな愚痴を話していた。
彼はただただ、メッセージで聞いてくれた。
そして励ますようなこともしなかったから、それがありがたかった。
しかし、男性は課金するタイプだから、回を重ねる毎に私の中に僅かに残る良心が痛む…。
「課金大変でしょ?LINE交換しませんか?」
『大丈夫ですよ。どうせどこか遊びに行ったらお金かかるんだから、女性はそんな心配しなくて大丈夫』
みんなすぐLINE交換したがるのに、変わった男性もいるんだ。だけど、課金もったいないから交換しましょう!と、私から交換をお願いした。
結局、このやり取りがなければ、今の私達はない。
ずっと彼は課金してたら、私達はこんなふうに付き合ってなかったと思う。
4月30日から5月1日に変わる時、
私達のLINEは5月1日からスタートしている。
でも私達付き合うまで、ここから2ヶ月は、LINE友達🤝
はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」