彼はとにかくカッコよかった。
スタイルも良くて、力持ちで痩せてるのにマッチョで賢くて、何でも直ぐにできて、金城武似であきぱんにはもったいないくらいいい男だった。
お正月に彼の両親にご飯一緒に食べようと呼ばれた。
よそのうちの正月を初めて体験した。
私も彼を自分の親にも紹介した。
順調に交際していたと思う。
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その後、あきぱんは生理が来なくて、彼の家で妊娠検査薬で一緒に調べた。
妊娠してた。
私は、好きな人の子供が出来て嬉しかったが、病院に行くと、お腹の中で亡くなっている状態だったので、すぐ手術しないといけない状態だった。
うちの父にこの事は向こうの両親には黙っていなさいと言われ、妊娠した事も言わずこっそりと手術を受けた
日帰りで手術だった。
2、3日仕事は休んだ。
父に『次妊娠したら今度こそ産むように』と言われた。
今回は流産してしまったが、私も次はちゃんと産みたいと思った。
このあとから1年後また私は妊娠した。
ちょうど安室奈美恵がcan you celebrity?を歌ってたころだ。
彼に妊娠したんだ。これからどうする?と伝えた。
彼は何も言わなかった。
私は産みたいと言った。1人でも育てたい。
あなたはどうするの?と。
責任を取って欲しいとかそういう気持ちはなくて、ただ好きな人の子供を産みたいだけだった。父が子供は宝だから1人で育てるなら、こちらも協力するから、中絶だけは辞めてくれと言ったからだ。
だから、彼がそれをキッカケに別れる事になってもいいと思っていた。それくらいの決意があった。
彼は一緒に育てると言った。
でも肝心な事を彼は両親に伝えていなかった。
ずっと言えなかったみたい。
あきぱんが妊娠したこと。
あきぱんと一緒になる事。
実家を出る事。
今考えると、この彼をこの時に辞めておけば良かったのかも知れない。でも、それだとぐーぱんとは親子になってないわけだからね。
彼はお金がないと言い、引っ越し費用が出なくて、全て私が全ての貯金を切り崩して車も売って家具家電を購入し、アパートのお金も出した。
彼は親に黙って、とうとう引っ越しの日を迎える。
私は、父や弟に手伝ってもらい荷物を新居に運んだ。
彼は何もかも1人で運んだ。
しかし、向こうのお父さんにバレた。
そりゃ当たり前だ。
向こうのお父さんに来るように言われて、私と一緒にいく。
その時、彼は全く親に話してない事を初めて知る。
そして、私は怒られた。
「うちに泊まって、何回もセックスしてたらそりゃ出来るだろ。それに妊娠したの二回目なんだってな!その時はおろしたんだろ!何で今回もおろさない!」
それにしても酷くないですかね?
元々は彼が両親に言ってないのが悪い!
最初が間違えていた。
私が話をすべきだったかもしれない。それにしても何故知ってる?
後でわかったのだが、私が行った病院に居酒屋の常連さんの奥さんがお勤めで、どうも話したらしい。今の時代ならそれアウトで、訴えられますが、時代ですかね?
1度目は流産してしまったことは伝えました。
私は中絶したわけではないんだから。
私は、息子をたぶらかして横取りした女って言うことになってしまった。
その間彼はずっと黙っていた。
最終的には、勝手にしろ!と勘当された。
私は、彼に「私、1人でも育てたいからね。あなたはわたしと暮らす?それとも戻る?ちゃんとここで決めて欲しい」
「あきぱんと一緒に育てるよ」
荷物をまとめて彼は実家を後にした。